2021/10/13(Wed.) Debut!

「かばおのステッカー」ができるまで

「かばおからのおまけ」としてはじめて登場した「かばおのステッカー」。
「かばおのノート」に“ひとつまみのお塩”を足してくれるようなアイテムです。
そんな「かばおのステッカー」ができるまでをご紹介します。

「かばおのステッカー」はシール印刷屋さんがつくっています

シールってどうつくっているの?

「かばおのステッカー」の製造をお願いしたのは、ウメモト株式会社(本社・大阪府大阪市)。
設立50年以上のシール印刷屋さんです。
お店に置いてあるあの商品のあのシール、工場で使っているあの部品に貼ってあるあのステッカー。
「あ、見たことある!」
実は私たちの生活に溶け込んでいるシール・ステッカーたちをつくり続けてくれている会社です。

切っても切れない業界の縁が印刷業・製本業にはありますが、「実際シールってどうやって作るの?」だった私。
自分の目で確かめたい思いと、皆さまにも現場をお伝えしたいという思いがふつふつと湧いてきました。
そんなわけで今回、ご無理を言って愛知県名古屋市の名古屋工場へお邪魔して、印刷に立ち会わせていただきました。

かばお

名古屋まで行ったのはひつまぶし目当てだけじゃなかったんだね

ウメモト株式会社名古屋工場の梅本常務取締役(右)と服部工場長(左)

“色をつくる”プロ

今回の「かばおのステッカー」、実は色々とややこしい点がありました(笑)
その中でも最もややこしかったのが「色」。
今回「特色」という読んで字のごとく「特別につくった色」で刷ってもらうことにしました。

その理由は、私の謎のこだわりです。
家庭用のプリンタがわかりやすいのですが、よく見ると印面が小さな点々の集まりで色がぼやけませんか?
シアン・マゼンタ・イエロー・ブラックの基本4色の色の点を掛け合わせて、全ての色を再現します。
精度は高くなっているとは言え、ペタッと隙間なく印刷された印面の美しさは特色でしか出せません。

かばお

そんなところが「 テキトーフォーミー 」

そして、そんな私の色へのこだわりを形にすること=色の再現性こそが「当社の強みです」と語ってくださったのが梅本さんでした。

私が入稿したデータはこちら。

そして、工場へお邪魔してすぐ、テスト印刷として見せてくださったのがこちら。

かわいい!

「どうですか?」と工場長に問われました。
データ通りの発色で、とってもかわいい。
しかし、ここで私のややこしさが顔を出します(笑)
データ入稿時と「 テキトーフォーミー 」のカラーが少し変わっていることをお伝えしたのです。
この色自体をすでに特別につくってくれていた状態で、爆弾発言もいいところです。

かばお

そんなところも「 テキトーフォーミー 」

そして、新たに色をつくり直していただくことになりました。
「調整とかではなく、一からやり直しですか?!それは悪いのでこのままでも……」と恐縮して「 テキトーフォーミー 」精神を投げ出す私に、お二人は「でもこれがブランドカラーなんですから、こだわるべきです」と言ってくださいました。

これが、現場のものづくりだと思った瞬間でした。
思い出すのは自分たちの現場。
日々これと同じようなことが起きていて、大変ではあるけれども、それが現場の誇りでもあるのです。

色をつくるということ

入稿時よりかなりくすんだエンジ色になった「 テキトーフォーミー 」。
正直、かなりややこしい色だったようです(笑)

さて、「色をつくる」と聞いてどんな様子を想像されますか?
今回は、ウメモトさんの強みでもある「色をつくる」様子を一から十まで拝見することができました。

本当に、色をつくっているのです。
色見本からインクの配合を見ながら足していきます。
子どもの頃の絵の具遊びを思い出しますよね。

何度も何度も少しずつ色を足して、出したい色に近づけていきます。

紙に貼ると、少し色が変わります。
このように、実際に紙に貼った時の色の見え方まで考えて調整していきます。

今回の特色には白色インクが全体の1/3を占めています。
意外ですよね。
独特の透けないくすみを出すには、白色インクが必要なのだとか(素人には全くわかりません)
「普段白色を使うことは99.9%ないですね」とは、汗だくで30分以上色を練ってくれている工場長。
そんなレアカラー、THE特色。
私が、実はにやにや嬉しいのは秘密です。

もちろん、インクの塗布量によっても色の出方は変わるので、実際に少しずつ刷りながら、そんな調整もしていきます。

▲「かばおのステッカー」の刷版
ここにインクがのって、シール台紙にスタンプのようにかばおが刷られていきます。

▲カットラインの抜き型
印刷されたかばおにこの抜き型を押さえつけ型抜きすると、ステッカーの形で剥がせるようになります。
この刃の高さも、シールの素材によって調整していくのだとか。
なるほど、そうしないと剥離紙まで型抜きされてしまいますよね。

全ての調整が完了したところで、やっと本刷りです。
今回使用する国産のこの機械。
マスキングテープ素材の「かばおのステッカー」のように、色を強くのせる必要がある場合はこの機械がベストなのだそうです。
こういった、シール素材による機械の選定もまさに調整の一つですよね。

というわけで、ここまで、調整調整調整の連続。
色づくりも含め、セッティングに1時間、2時間……と時間がかかります。
しかし、一度セッティングしたら、かばおを1000枚刷るのに10分もかかりません。

「セッティングが肝なんです」とは、15年キャリアの工場長。
「セッティングをサボると、後からとんでもない狂いが生じます。準備や調整を怠らないことです」

この言葉を聞いて、私はまた自分たちの現場のことを思い出します。
そうだよなあ、うちもセッティングにえらい時間かかると思って見ていたけれども、トラブルなく流すために決してサボれない大切な仕事なんだよなあ。

外を見て、内を知る。
なんだかそんな瞬間が多くありました。

餅は餅屋、シールはシール印刷屋

私たち製本屋といっても、色んな製本法があり得手不得手があります。
それと同じで、印刷業の中でも、一般的な印刷とシール印刷とはまた別のジャンル。
特色で刷ることが多いシール印刷だからこそ、色をつくる技術が磨かれていったのだと思います。

「この仕事、どんなところが面白いですか?」
図々しくも、工場長へ質問してみました。

「毎回違うところです。色にしても何にしても、仕様によって微調整していく面白さ。特に色がバチッと決まった時は気持ちいい!」

今回、図らずもややこしい色をリクエストしてしまいましたが、現場からやりがいのようなものを感じられたのは気のせいではなかったのではないかと思います。

そんな血の通った「かばおのステッカー」は、現在「かばおからのおまけ」として「かばおのノート<3冊セット>」をご購入くださった方にプレゼントしています。
いわばノベルティです。
ノベルティにここまでこだわるというのも「 テキトーフォーミー 」らしくて良いのではないでしょうか。
ぜひ手に取って、その目で確認してみてください。

「かばおのステッカー」を使ってみよう

「なるほど、ここまでしてつくってくれているのか!」

それを知るだけで、モノへの愛着が湧き、それをつくるヒトへの興味が湧き、ものづくりそのものへのリスペクトへ繋がる。
「 テキトーフォーミー 」は商品がつくられる過程も皆さまへお届けできるようなブランドでありたいと思っています。

こぼればなし

今回の印刷立ち合いは、娘も同行しました。
快諾くださった梅本さん、ありがとうございました。

製本屋の工場はよく見ている娘も、また違った製造現場に興味津々。
いつも自分が使っているものが誰の手によってどうやってつくられているのかを知ることは、子どもにとっても大切なことかと思います。
加えて、実際にその澄んだ目で見ることができる機会は、大変貴重なものです。