「かばおのカード」ができるまで

無地のノート「かばおのノート」と使ってほしい商品として、「かばおのカード」を発表しました。
これは、かばおからの問いかけに答えていくことで自分を見つめ直すことができる内省・内観ツールです。
そんな「かばおのカード」ができるまでをご紹介します。

「かばおのカード」が生まれたのは、人との出会い

「テキトーフォーミー」の考え方をもっと広めたい

そんな思いを私にぶつけてくれた方がいました。

2022年秋、私は一周年を迎えた「テキトーフォーミー」を一緒に盛り上げてくれる方を探していました。
自治体の紹介もあって、ハイレベル副業人材の募集をかけたのです。
報酬もそんなに出せませんし、こんな小さな会社の小さなブランドにそんな優秀な方が関わってくれることなんてあるのだろうか……と半信半疑での登録です。
しかし、そんな心配はよそに、約20名の方が「テキトーフォーミー」に共感し、手を挙げてくださったのです。
皆さん素晴らしい方でした。
そんな中、やたら前のめりな方が1名いらっしゃったんです(笑)

「ぜひ!『テキトーフォーミー』の考え方をたくさんの人に知ってほしい!!」とメッセージをくれたのが、三木佳世子さんでした。
三木さんは私より少し年上の女性で、会長賞など受賞経験のある元NHKディレクター、サイボウズで組織開発、LITA執行役員、起業……とまあ、素晴らしい経歴の持ち主なのですが、飾ることない人柄でまさに「テキトーフォーミー」を体現されている方でした。
同年代の子どもをお持ちで、キャリアと子育てを天秤にかけることなく活躍されている姿にも、とてもリスペクトと親近感がわきました。

MiraiE代表 三木佳世子さん

無地のノートに書くきっかけをつくる「問いかけカード」

年が明けた2023年1月、滋賀県に三木さんをお招きしました。
滋賀県守山市のコワーキングスペース「ROOT」の一角をお借りして、もっとたくさんの方に知ってもらうには?「テキトーフォーミー」の考え方をもっと広げるためには?そんなお話を夜7時までしたのでした。

かばお

ずいぶん遅くまで居座ったよね

その中で出てきたのが、「かばおのカード」の原型です。

かばおのノートは無地のノートです。
白紙のノートを前にしたときに、多くの人が「何をどう書けばよいのだろう」と尻込みしてしまいます。
私たちは初等科からの教育の中で、枠の中に書くことに慣れているので当然です。

「かばおのノート」を手にした人が、無理なくそれに「書く」ことを始められるお助けツールがあれば嬉しいよね。
小学生の頃流行ったプロフィール帳に、一問一答で答えていくの楽しかったよね。
そういえば高校の進路指導や就活セミナーで自己分析ってやったよね。
大人になって、結婚して、子育てして……ステージがどんどん変わってくけど、そういえば自己分析ってしてないよね。
「かばお」からの問いかけになら、素直な自分で答えられるんじゃないかなあ。
単語帳みたいだったらいいかなあ。

一人で考えていても出てこないアイデアが二人揃えばぽんぽんと出てきます。
その瞬間に、ああ参画してもらって本当によかったなあと思ったものです。

「問いかけ」を書きだしている様子

コワーキングスペースを長時間陣取って、こんな質問がいい、あんな共感がいい、かばおならきっとこんな問いかけをしてくれるだろう……その日のうちに、問いかけカードの骨子が生まれました。

かばお

みかん食べたんだね

その日の夜はいったん解散して、次の日までに自分たちで問いかけカードに答えてみよう!となりました。
そこでの気づきから、問いかけの内容やその順番などをブラッシュアップしていきます。

これはその時の私の「かばおのノート」のページ。
雑な性格がよくわかります(笑)

ここで気づいたのが「書いたことを誰かとシェアすると面白い!」ということ。
最初「かばおのカード」を作ろうとしていた時は、自分の内に内に問いかけていって、自分で納得して、自分自分……なツールのみとして考えていました。
もちろん、「誰にも見せないからこそ出てくる自分」というのにも気づいてほしいので、そんな使い方でも全然問題ありません。
ただ、一日前に初めて顔を合わせた三木さんと問いかけへの答えを共有していく時間はとても有意義で豊かなものでした。

「へえ、そんな考えがあるんですね!」
「あ、そう捉えました?」
「そんな価値観をお持ちなんですね」

シェアする相手の「人となり」=「その人のテキトーフォーミー」を垣間見ることができるんです。
これはもしかしたらすごいツールかもしれない……そんな予感も持っていたりします。
親子や友人、恋人とシェアしてみるのも面白いかもしれませんよ。

さあ、アイデアを形にするのはうちの仕事

そんなこんなで、かばおの問いかけカードの商品化が決まりました。
そうと決まれば、ここからはものづくりの現場である、うちの仕事です。

工場を見渡して、協力会社を頭の中でリストアップして、何ができる?どうできる?
そんなことを試行錯誤する時間が、我々は一番楽しいんです(笑)

私が真っ先に思いついたのは「スリップ」を使うことです。
スリップとは業界用語で、売上カードとも呼ばれます。
皆さんが本を購入した際に、本に挟まっている半円(この部分は「ボウズ」と呼ばれます)が頭を出した栞のようなものを覚えていらっしゃいませんか?

本に挟まれているスリップ

ここには本の価格や書名、出版社、JANコードなどが本来印刷されています。
POSレジが主流となる以前は、本を買うと書店でこのスリップを抜き取ってお渡ししてくれていたよなあ……なんて記憶がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
これを作って、本に入れ込むのも、うちの工場で行っていることなのです。

穴を開ける前のかばおのカード
専用の穴あけ機で数枚ずつ開けていきます

このスリップ1枚1枚にかばおからの「問いかけ」が記してあって、開きながら、挟みながら、自らのテキトーフォーミーを探していけたら、カラフルで色んな質感の紙を使って、五感も刺激してくれるようなカードにできたら……。

使い方もわかりやすいように、ギフトで贈られた方でもすぐにわかってもらえるように、取扱説明書もつけよう。

私の創造力をフル動員して出来上がったのが「かばおのカード」の形です。

自分を見つめ直す問いかけカード

「かばおのカード」のタグラインは、こう設定しました。

「かばおのカード」は、かばおから「きみ」への問いかけです。
内省を促し、自分を見つめなおすきっかけとなります。
かばおからの問いかけ一つひとつに素直に応えていくことで、自分にとってどうあることが「テキトーフォーミー」なのかに気づくことができます。

進学・就職・結婚など……人には様々な人生のステージがあり、その時々によって価値観や人生観も変わっていきます。
人生の節目節目で内省を行うことで「自分が何を大切にしてい生きていくのが自分にとって幸せなのか?」を確認することができます。

少し時間をとって「今」の自分と向き合ってみると、意外と「そこにあるしあわせ」に気づけたりするかもしれません。

「テキトーフォーミー」のコンセプトは「毎日のパフォーマンスがナチュラルにベストな自分へ。」
すなわち、そうあることが、テキトーフォーミーであるということです。
「テキトーフォーミー」はそのプロダクトを通じて、進む方向・自分らしい生き方が見えてくることで、その人の内側から活力が湧いてくる状態をつくりたいと考えています。

「テキトーフォーミー」の考え方をもっと広めたい。

そんな私たちの思いで誕生した「かばおのカード」。
ぜひ「かばおのノート」とセットで使ってみてくださいね。

こぼればなし

滋賀県にまで来ていただいて、瀬田川沿いでランチも食べ、工場見学もしていただいたにも関わらず、三木さんとのツーショット写真を一切撮っていないんです私。

嗚呼。ほんと「そゆとこだぞ」。
まあ、こんな感じが「テキトーフォーミー」だよなあと思いながら、この記事を綴っています。

またここにツーショット写真が載る日をお楽しみに(笑)